国鉄とは

国鉄の正式名称は、日本国有鉄道です。国鉄の略称から日本国直営の組織のように勘違いされる場合もありますが、正確には、公共企業体と呼ばれる企業です。公共企業体とは、国により、出資や貸付けなどで、公共性の高い事業を経営するために設立された法人のことをいいます。公共企業体は国鉄の他に、日本専売公社(現在の日本たばこ産業株式会社JT)、日本電信電話公社(現在の日本電信電話株式会社NTT)の3社を一般的に三公社と呼ばれています。国鉄は、1949年6月1日、日本政府の運輸省鉄道総局の管轄にあった鉄道事業を行政機構から切り離し、鉄道事業を独立採算制で運営することを目的に発足し、JRとして民営化される1987年3月31日まで存在した。

国鉄の発足後

国鉄は当初1949年4月1日に発足する予定でしたが、準備が遅くなり、1949年6月1日に発足しました。一般の人や社会的には、運営が国から独立した組織に変わっただけで、大きな注目を集める事はありませんでした。国鉄は、主に1957年から1964年にかけ急速に施設の建替えや建設、輸送力の強化などを推し進めます。1964年には東海道新幹線が開業し国鉄のシンボルとなりました。しかし、この頃になると、自動車や航空機との競合が厳しくなりました。さらに、国の政策によるローカル新線の建設、戦後の過剰なほどの雇用による人件費の負担が国鉄の経営に深刻なダメージを与える事になりました。さらに1980年代にかけてストライキが頻発するようになります。

国鉄の民営化

国鉄は1987年4月1日に、地域別の旅客鉄道会社と1つの貨物鉄道会社として、分割民営化された。私たち乗客の立場からの民営化は、非常にメリットの多いものとなりました。最大のメリットとして、運賃の値上げが無くなった事にあります。民営化される前の10年間は、値上げが繰り返されていましたが、民営化後は基本的に運賃は据え置かれました。もう1つの大きなメリットとして、ストライキによる、輸送障害が無くなり、定時運行される事が多くなりました。民営化当初は、公営事業の民営化事例が少なかった事もあり、乗客に様々な不安はありましたが、重大な問題が乗客の輸送サービスにおいては、発生しなかったため、民営化後の輸送サービスに信頼を置くようになりました。

Copyright © 2008 国鉄民営化への流れ